【塩屋的住環境のつくりかた】#7 物件のみつけかた① ― 予算を決めるということ
2026.1.15

記:小山直基(塩屋的住環境の家、小山の家)
物件探しの相談をしていると、こんなやり取りがよくあります。
「どんな家を探していますか?」と聞くと、「海が見えて、日当たりが良くて」など、立地や広さ、古さ、雰囲気といった条件はすぐに出てきます。
一方で、「ところで、予算はどのくらいを考えていますか?」と尋ねると、一瞬の間をおいて、「うーん、できるだけ安く……」とか、「まだはっきりとは……」という答えが返ってくることが少なくありません。
物件探しを進めるうえで、予算は条件の中でもっとも重要な要素です。
インターネットで物件を見たり、不動産屋に相談したりする中で、そのまちの相場や生活のイメージは、少しずつ見えてきます。
これはとても大切なプロセスです。ただ、それと同時に、「自分が実際に払える予算」をきちんと把握しておくことも大切です。
家賃や購入費にいくらまで出せるのか。敷金・礼金・仲介手数料といった初期費用はどのくらいか。改修が必要な場合、その費用をどう考えるのか。
毎月の収入と支出を整理し、無理のない予算を自分で把握しておく。ここが曖昧なままだと、次のステップに進みにくくなります。
不動産屋に「できるだけ安く探しています」と相談しても、条件が曖昧なため、提案はどうしても難しくなります。
それよりも、「月に◯万円までなら出せます」「総額で◯◯万円以内を考えています」と伝えたほうが、はるかに話は進みますし、不動産屋は、条件が具体的であるほど、提案しやすくなります。
逆に言えば、「いい物件があったら連絡してください」というお願いは、誰もが口にする言葉で、ほとんど条件として機能しません。相手も商売です。「できるだけ安く」という人よりも、予算感がはっきりしている人に連絡をするのは、ごく自然な判断です。
条件と予算が整理されている人ほど、結果として優先順位は上がりやすくなります。
物件探しは、条件を並べることではなく、優先順位を明確にすることです。
「理想の条件をすべて満たす家を探すこと」ではなく、限られた予算の中で、何を大切にし、何を手放せるかを整理していく作業だと思います。
相場を知り、それを踏まえて自分の予算をきちんと決める。この二つがそろって、物件探しは良い方向に進み始めます。